Popona at Dekijima in March 2017!
子どもたちへの読み聞かせを大事にしているという徳島市の出来島保育園さんよりご縁を頂き、「子サンタポポナの種物語」制作チームで訪問させていただきました。
出来島保育園では、年中と年長の年齢の子どもたち合わせて一つの「ゆり組」さんを構成していて子どもたちは合計31人。そしてゆり組担任の先生方は三人。
当日の流れ
(1)担任の先生による読み聞かせ(その日は五十七章から)
(2)作者による読み聞かせ(つづいて五十八章)
(3)作画のまみ・わっとさんをファシリテーターに、子どもたち含むその場にいる全員で、一冊の手作り絵本「みんなの森」(縦27cmx横26cm)を制作。
1. 園長先生や先生方、子どもたちを含み五つのグループに分かれます。(一班6人~7人前後)
2. ワトソン紙を先に屏風折り(縦27cm x 横26 cm)にしておきます。
3. ばんばんはみ出てもいいように床に新聞紙を引きます。
4. 新聞紙の上に、屏風折りにしていたワトソン紙を横に広げます。
5. 子どもたちも先生方も、みんなでどんどん、四方八方から絵を描きます。
クレヨン、絵具、色鉛筆、なんでもOK! 色紙を好きなように貼ってもgood!
6. ひたすら、ただひたすら描きます。
7. おわりの時間がきたら、五つの班の屏風折り絵本を一つに合体させていきます。
8. 裏表紙にゆり組さん全員のお名前を署名します!
9. まみ・わっとさんによる表紙の絵とタイトル「みんなの森」の仕上げ!
10.完成した絵本を教室いっぱいに広げます!
「出来島保育園さんを訪問して」 (作画者 まみ・わっとさんより)
ポポナの絵を描かせてもらった自分が行くならば、やはり一緒に絵を描くことを楽しんでもらえたらと、どうしたらみんなで楽しめるだろうと半分ドキドキ、半分わくわくしながらその日を迎えました。
しかしその不安は、子どもたちのキラキラした目に迎えられた途端吹っ飛びました。
園長先生が持ってきてくださったお庭のオリーブの一枝に、子どもたちが一斉に「ミリタリアエレナ!ミリタリアエレナだ~!」と声をあげてくれて、どれだけびっくりしたことでしょう。
あのオリーブの木の長い名前を覚えていてくれるなんて毎日読み聞かせしていただいたポポナの物語が、みんなの中に生きている!こんな嬉しいことがあるでしょうか?
そして、床に座ると、われもわれもとひざ詰めで「お母さんが予定表を放り出したとこ面白かった~!」とかここが好き、あそこのシーンが好きと口々に話してくれて、これまた胸熱くなり原作者のセナ・ピジャーさんの読み聞かせにぴたとも動かず真剣に聞き入っていた皆の背中にほんとにポポナの物語を愛してくれていることが伝わり一緒に聞きながら胸震えておりました。
お絵かきタイムは、「みんなの森」の絵本をみんなで作ってもらおうと思って用意してきた紙を広げたら、ドンどん描いてくれて、その想像力、創造力にも笑顔になってしまいました。
皆はクレヨンで描いてくれていたので、私は、パレット型の水彩絵の具と筆を手にして、どこか色を入れるところあればと見回っていたら一人が使ってみたいというので、その子の好きな色をつけて貸したところ、私も私もと行列になり、予定時間に終わりそうになく「一人一回ずつで次の人に筆を渡してね!」と言ったらなんと、自分の番が終わったら筆を洗ってもってきてくれてバトンタッチ!それも皆がそうしてくれました!
自分一人だけ好き放題にしたい年頃だと思うのに他の人のことも考えられるやさしさに唸ってしまいました。
きっと、普段から園長先生をはじめ先生方から愛情いっぱいに包まれているのではと思ったことでした。
そんな園での、心からの読み聞かせで「ポポナの物語」は子どもたちの心に楽しく広がってくれたのだと思います。
こんな素敵な先生方、子どもたちの保育園に出会わせていただいたこと、ほんとうに幸せなことだったと思います。
またすぐにでも伺って子どもたちと遊びたいくらい心惹かれる場所になりました。
これも「ポポナの絵本」の絵を描かせてもらったおかげですね^^あらためて感謝します。ありがとうございました!
まみ・わっと
「世界でひとつの森、みんなの絵本をともに作って」(セナピジャーより)
出来島保育園の園長先生はじめ先生方、そしてゆり組のみなさんに、ただただ感謝したい一日でした。
教室に入ると、今にもその場から翔け出しそうな笑顔を、一心にこちらに向けてくれた子どもたち。
その時の、じっと座っていられないようなムズムズした様子、好奇心いっぱいの目でこちらを見てくれた姿が、今もずっと心に残っています。
園長先生の手には、今朝、ご自身のお庭から持ってきて下さったというオリーブの一枝。ぽわんと優しく膨らんだオリーブの葉っぱ。
「この子が『私も一緒に連れて行って!私もみんなに会いたい!』と…」と、笑顔いっぱいの園長先生。その枝を見た子どもたちも大喜びで、水の入ったコップに挿されたオリーブの小枝が、私にもミリタリアエレナの枝葉に見えました。
子どもたちに読み聞かせをする担任の先生の声は、なんて、なんて優しい声なのだろうと、すぅぅっと吸いこまれるかのように包まれました。ちょうどその日の章(五十七章)が、アルスナーノの心が子どもたちにお話を語り始めるシーンだったせいか、その時、「ああ・・・今、この教室そのものが、アルスナーノの切り株なんだ・・・」と思いました。
私が五十八章を読ませて頂いている時、その後、みんなで一緒に絵を描いている時、ゆり組さんのみなさんの優しくて楽しい心がいっぱい、いっぱい、伝わってきました。すごく、すごく楽しかったです。
たくさんのポポナや動物たち、クラリッサ、葉っぱ、色とりどりのお花、最高にかっこいいミミズ!
世界でひとつの森、みんなの絵本を一緒に作ることができて、本当にうれしかったです。
一緒に楽しく絵を描いて素敵な絵本を作った思い出は、私にとって、一生の宝物になりました。
「クラリッサにのったら、ぼくは、いきたいところに、どこにでもいける」
そういって、クラリッサを、一生けんめい、描いてくれていたお友だち。
ほんとうに、私もそうだと思います。大きくなっても、心の中にクラリッサがいてくれたら、いきたいところに、きっと連れていってくれます。その時は、心に、ぐぅぅぅっと、力をこめて・・・。ぐぅぅぅっと力こめて、風にのってピューンです。
「このお話をつくった人は、いっしょうけんめいかいたんやと、いっしょうけんめいかいたんやと、そう思いました」と、一生けんめい、がんばって、伝えてくれたお友だち。
そう伝えてくれて、ほんとうに、ものすごく、ものすごく、うれしかったです。
はい。一生けんめい、かきました。そしたら、こんなに長く、なってしまいました。
でも、それと同じくらい、一生けんめいきいてくれて、よんでくれたことが、ものすごくよく伝わってきました。ほんとうに、この長いお話を、一生けんめいきいてくれて、たいせつによんでくださって、ゆり組のみなさん、先生方、ほんとうに、ありがとうございました。
セナピジャー