地球は未知なる自己に出会う星
coffee break

Let it be

My forever song…

ビートルズのLet it beに「一目ぼれ」ならぬ「一耳(ひとみみ)ぼれ」したのは中学生の時だった。「レリピーレリピーッ、レリピィ、イエィ、レリピィ」と、Let it beの意味もわからぬまま、ひたすらくり返し歌った。本当に美しいメロディ。

レリピィの前後にくる英語のフレーズは聞き取れないので、「ふんふんふんふ、ふんふふーん、レリピィ・・・イィ、レ・リ・ピィ・・・」で、口ずさむのはひたすら「レリピィ」のみ。

それぞれの単語は、当然、学校で習っている。Let も、it も、beも。なのに、その簡単な単語3つが横一行につながると、どうも意味がつかめないまま、それでもひたすらレリピィレリピィ・・・。初めて買ったLP(すでに死語?)も、もちろんビートルズである。千円札が伊藤博文さんの時代。

時計や宝石やメガネを売っているお店の隣にレコード屋さんがあって、そこでドキドキしながらビートルズのレコードを買った。LPという高価なものを自分のおこずかいで買うことにもワクワクした。とにかく他の曲はどうでもよくて、Let it beが入っているアルバムを探した。最終的にどんなジャケットのLPだったのかは全く覚えていない。覚えているのは、お店の棚に収納されているたくさんのレコードたちの中から、Let it beが入っているLPを探したこと。

プレーヤーの針がすぅっと動いて、レコード盤と触れ合う瞬間が大好きだった。
針が読み取った情報がメロディになるということ・・・ゆっくり回るレコード盤の上で滑るように音を奏でていくのが、本当に不思議でならなかった。

(今も不思議でならない!!! なぜ音が生まれるの?)

Let it be…. すべてあるがままに。

英語の歌詞と日本語訳を読んでみるのだが、やっぱりどういう意味かわからなかった。なぜ、マリア様が目の前に現れるのか。words of wisdomもよくつかめない。そしてwhisperという言葉の美しさ、ポールの声、whisper。

時とともに、ピアノでこの曲を弾けるようになり、Let it be以外の歌詞一つ一つの意味の深さ、フレーズの余韻も感じられるようになった。カトリックという宗教のこと、聖母マリア様のこと、ポールが14歳の時に病死した彼のお母さんの名前もMaryであったこと、Let it beがビートルズ活動中最後のシングルで、当時、バンドとしては分裂と苦難の状態にあったこと・・・。

歌の向こうには、中学生だった私には目に見えないストーリーが秘められていたのだ。

大人になってイギリスのリバプールにも一人で行ってみた。サッカーの熱気に満ちたビートルズ誕生の港街。その不滅のロックバンドの名残ある雰囲気にもそれなりにふれることができたのに、なぜか辿り着いたリバプールではとてもさみしい気持ちになってしまった。この街には、もう二度と来ない気がする。そう思った。

Let it be…

この曲の向こうにある背景について何も知らなかった14歳の頃。初めてのレコードを買い、くり返し聞いたレリピィ。あの時ほど、Let it beの本当の意味を、頭ではなく、あるがメロディのままそこにある「ことば」のまま、魂まるごとで感じていた時はなかったように思う。

ただただ、私にとって、永遠だった、レリピィ・・・

未知の世界。Let it be…

ちなみに、私が中学の頃から少しずつ買いためていたLPレコードたちは・・・。
大人になって海外の滞在から戻ってきた時には、実家からプレーヤーごとまるごと消えていた。まさに忽然と・・・私の買いためたLPたちが消えていたのである。ショーーーック・・・

レコードプレーヤーが故障してCDプレーヤーに代わり、プレーヤーのそばにあったレコードたちも運命を共にして我が家からそっくり手放されたらしい。それを聞いた時は「まさか? 私のレコードも?」と愕然、がっくり肩を落としたが、大事なレコードたちのことを忘れ、長く不在、ホッタラカシにしたまま旅に出かけた浦島太郎は私である・・・。

最近、イギリス人の友に再会し、初めて買ったアルバムのこと、Let it beのこと、旅から帰宅したらLPレコードたちが忽然と消えていたその時のショックのことを話したら、

”Oh, sorry… recently, they are getting more popular again!”

と、気の毒そうに、でもちょっと楽しそうに伝えられた。LPレコードたちの人気が最近また徐々に復活しつつある・・・というのだ。おこずかいで買ったあのレコードたちは、世界のどこかでまだ存在しているかもしれない。

Let it be…

今も、この曲を聴くたびに、そのforeverな感じは、ずっとつづいている。
どんなに歳をとっても、あの14歳の時に感じた不滅感は、一生私の中で、つづいていく気がするのである。

Let it be…Let it be..
Let it be…Let it be..
Whisper words of wisdom

Let it be….

 

What is your forever song?

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